アートには新しい価値を生み出すヒントがある
アート作品は、新たに問題を定義していたり、今まで無かったものの考え方や捉え方をしていたりするので、様々なアートに触れ、アーティストの見方や視点を学ぶことが、自分の問いを持つもつヒントとなります。
世界のビジネスリーダーがいまアートから学んでいることアーティストから学び、アートを体験し、アートを鑑賞し、アートをはじめとする創造的な仕事に携わる人たちと話をすることで、心が開かれ、創造力を身につけることが可能になったのである。
『世界のビジネスリーダーがいまアートから学んでいること』ニール・ヒンディ著(株式会社クロスメディア・パブリッシング)
この本から、今までのような、論理的や理性的な取り組みでは、みんな同じ手法で差別化しづらい現状があること、ということ。みんな同じ手法だと差がつきにくいという現状があること。アートに触れ、観察力を鍛えることで人と違う視点を持てるようになること、つことや、アートに新しい価値を生み出すヒントがあることなどを学びました。
私達が何かを新しいことをしようとするとき、先入観や固定観念がメンタルブロックとなり、新しい行動に移すときの邪魔をすることがあります。それを防ぐには、まずは自分の持っている先入観や固定観念に気づく必要があります。
例えば海外に旅行に行くと、日本の常識が世界の常識ではない出来事に出会うことがあります。私が以前訪れたスウェーデンでは、に行ったとき、トイレが男女共用であること多く、慣れないため違和感がありました。図書館やホテルのロビーのトイレ、博物館や国立公園のトイレも共用でした。ただ場所がな無いからというわけではなく、広い公園にあるトイレでも、男女同じドアから入り、中に入ると個室のドアが並んでいるのです。日本にある車いすも入れるトイレのように単体である場合もありましたが、男性、女性の区別なく使うため、時々男性の人がドアからでてくると、トイレを間違えたのではないか心配になることもありました。毎回トイレに入る前に「このトイレでいいか?」何度もチェックしました。日本だと女性は暖色系の色、男性は寒色系の色で色分けされていることが多いのですが、色分けもなくマークだけという場所も多かったです。それらは、男女という分け方ではなく多様性を受け入れる姿勢の表れだと感じました。この経験で、女性は暖色、男性は寒色という固定されイメージや、男女のトイレは分けないといけないという考え方をいつの間にか持っていたことに気づかされ、それが世界共通の考え方ではな無いのだとことを知りました。
もう一つスウェーデンの旅行で衝撃だったのは、働き方でした。お店は、物販のお店はが416時ぐらいに閉まってしまいますうこと。お客がいても帰ってくれと言わんばかりの態度であったり、飲食店などでは、ももう閉めるからと断られたりもしました。そして、買い物をしたときのレジ打ちの人が笑顔もなく笑いもせず、無表情で対応することが、目につきました。でもだんだん、お客様は神様ではなく、人として対等ということを感じるようになりました。日本での対応に慣れていると、不愛想と思いますが、それはそれでいい、もしかすると日本が過剰なのかもしれないという気持ちに変化してきました。
このように、違う文化に触れることで、先入観や固定観念に気づかされることもありますが、私は、現代アートを見て自分と違う視点を知ること、アーティストの考えに触れることでも、「こうあるべきという自分の中の先入観に気づく」というトレーニングになると感じます。ニューヨークのビジネスマンがアート鑑賞する1つの理由は、ここにあるのではないかと思います。
新しい問いを投げかけるアーティストの作品を見ることで、今の時代を知り、自分とは違う新しい視点や新しい価値を発見することを、皆さんもトライしてみませんか。
こちらの記事は、下記の『子どもとアートのある暮らし 見る・飾る・探すのはじめ方』より抜粋してお届けしました。この他にも、子どもの創造力を育むヒントが詰まっています。
子どもとアートのある暮らし 見る・飾る・探すのはじめ方
Kindleにて販売中