ホスピタルアート

問題解決としてのアート

左の写真は、ギャラリーのようにも見えますが、実は病院の廊下です。
先日、香川県善通寺にある、独立行政法人 国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センターへ、ホスピタルアートを学びに行ったときに撮った写真です。病院のホスピタルアートディレクターの森合音さんに、お話を伺い、病院の一部を案内いただきました。

病院やクリニックなどでも、さまざまな理由からアートを取り入れようという取り組みをされています。四国こどもとおとなの医療センターは、アートの展示だけでなく、病院のサイン、照明、家具、患者さんとのコミュニケーションなどにアートを取り入れられています。「もともとは、問題解決の方法としてアートを取り入れたことから始まった」と森さん。森さんが考えるアートは、「人が感動するものづくり」だそうです。病院の照明や、手術室の壁の絵などは、そこに関わる患者さんや、お医者さん、スタッフの方、いろいろな人の手が関わっています。

コミュニケーションの壁。いくつかの壁にはニッチがあります。季節によって展示が変わるそうです。今回は、せみととんぼでした。1カ所扉のついているニッチの中には、ボランティアの方からのメッセージや手作りのプレゼントが置かれています。

この傘の柄は、重心病棟の入所者さんが描いた空模様。屋上庭園に来た人は、自由に日傘を使えます。ものを通して、人と人がつながる傘、とても素敵だと思いました。ここのアートは、建物完成当時からすべてできあがったものではありません。実際に活動をする中で、工夫したり、改善したり、変化し続けています。今回一緒に見学をした方が、自分が手術を受けたとき、手術室に番号だけあったのが印象に残っていて、嫌だった。ここのように、空や緑の絵があるのはとてもリラックスできそう。と話されていました。病院に関わる人の声や気持ちを良くしていこうという気持ちが、病院をとても心地よく、安心感を感じる場所にしてくれるのだと思います。

四国こどもとおとなの医療センター
〒765-8507 香川県善通寺市仙遊町2丁目1-1
TEL:0877-62-1000 FAX:0877-62-6311

Kindleにて販売中『子どもとアートのある暮らし』を出しました。

ご購入はこちらから