ダイニングの照明を選ぶときに考えていること インテリアコーディネートのコツ
今お客様の提案業務についてです。インテリアコーディネーターって、「これがいい」と色やデザインを提案している仕事のイメージがあるかと思いますが、目立たないところで試行錯誤しています。
今回ペンダントの照明を検討していたら、あっという間に2時間ほど過ぎていました。
お客様からいただいた条件は、
・インテリアイメージは、色が楽しい感じでどちらかというとカジュアルな雰囲気
・ダイニングは、明るい感じにしたい
・部屋全体として、色を使って明るい感じにしたい
です。皆さんなら、どう考えますか?
部屋の状況
下のような間取りで、
リビング側に、照明のコンセントが1つ
ダイニング側にも、照明のコンセントが1つあります。
マンションの採寸に行き、天井のコンセント位置や、天井の高さ、コンセント位置などを確認しました。天井のコンセント位置をおおまかにでも把握できると、家具のとバランスや照明のデザインを検討するのに役立ちます。
はじめに、提案の方向性を決める
リビングは、お客様のご要望やくらしから、間接照明的に光を感じられるように、スポットライトとダクトレールを使う。
ダイニングは、ペンダント照明を下げ、ダクトレールで照明位置を調整、スポットライトをつけ、カーテンや壁を明るくして、部屋の明るさ感をだす。
という方向性を決めました。
次に、提案する照明器具を探す
次にペンダントライトを探しました。ペンダントライトは、お客様から色を使った楽しく明るい雰囲気を実現すべく、色のある照明器具を選ぼうと思っていました。なので、今回のお部屋やカーテンやソファの色、ラグの色に合うペンダントライトを、カタログをめくりながら探しました。
最初の提案のあとの再提案を考える
リビングで映画を見るので、リモコンを使いたい、ダイニングはリモコンが使えるといいけれど、デザイン優先で選んでほしいという希望をいただきました。
天井にリモコン操作ができるシーリングライトをポンと1つつければ、要望を満たすことはできますが、くつろげる部屋をつくるには、スポットライトを使い、光の向きを調整したいと考えました。
リモコン操作のできるスポットライトを探す
スポットライトでリモコンを使えるようにするには、リモコン付きのスポットライトが数個ついている照明を使うのが、一番簡単です。しかし、ここで1つ問題が。ダイニング側にもスポットライトをつけるので、リビング側とデザインを同じするとなると、リモコン付きスポットライトの照明はレールと一体なので、デザインを合わせるのが難しいとなり、この案は保留。
次に、簡易ダクトレールにスポットをつけて、リモコン操作ができるものを探すことをしました。もともと知っている情報だといいのですが、照明器具は新しい器具も毎年出されているので、まずは各メーカーのカタログをめくり、情報収集をします。
いくつかメーカーで候補を見つけ、より情報を集めます。最終的には、1つのメーカーの商品に絞られたので、どのような組み合わせだとリモコン操作ができるのか、調光調色ができリモコン操作に対応できるスポットを探しました。スポットライトは、光の広がりや明るさも確認し、全体で何個つつけるか考えます。
ライトとレール、スイッチの組合せは、カタログを読んだり、メーカーにと問い合わせして、想定していることができるかを確認します。今まで納品したことがあるものだと必要がありませんが、初めての商品は慎重に確認が必要です。これとこれならいいけれど、これとこの組合せはだめ、というものもあるので1つ1つ確認をとります。
照明をつけて、やっぱりだめでしたとなった場合、通常、照明器具の箱を開けた時点で返品がききませんので、費用を負担して対応するしか方法がありません。そうならないよう、念には念を入れて確認するようにしています。
スポットライトを検討
5つぐらいに候補を絞り込みました。その中では、リモコン操作に対応できるもの、そうでないけれどデザインがいいものの3つ提案することにしました。最終的に1つのものに決まりました。リモコン操作できない器具だったので、リビングだけリモコン操作できるレールを使い、ダイニングは、リモコン操作できないレールを選ぶということにしました。
そこで、問題が発生。リモコン操作できないレールにつける照明器具と、リモコン操作できないレールにつけるスポットライトをどう選ぶかということです。リモコン操作できるものは、価格が高いので、調光しないのにそれをつける必要はない、でもデザインを合わせたい、どうしようかとなりました。
カタログだけだと良く分からないので、カスタマーセンターに電話をしたのですが、これまた繋がらないのです。10分ほど待ってもつながらないので、あきらめて電気屋さんに相談することにしました。そしてたまたまですが、自分の事務所用にライトを購入したものが、お客様に提案する商品と同じだったので、実際に試してみた方が早いことに気づきました。年末に注文したものの、忙しくて段ボールで積み上げていました。
まずは、ペンダントや他の照明がついてるダクトレールに、スポットライトをつけ、どう反応するか試しました。そのスポットライトをリモコンで調光調色できること、リモコン付きのレールでなくてもいいこと、他の器具がレールについていてもいいことが分かりました。
まさに、百聞は一見にしかずです。その器具がリモコン付きのレールでなくてもいいことが分かったので、スポットライトは同じもので揃えることにしました。さらに、ダイニング側のスポットも、リモコン操作ができることが分かり、お客様のご要望にお応えできる提案となりました。一気に悩みが解決したのですが、この日2時間程度このことにかかっていました。
ペンダントライトをショールームに確認
一番のポイントとなるペンダントライトは、実際にショールームに行き照明を確認することにしました。
選べるサイズがあり、色の種類もあったこと、光の広がり方や、電球の様子を知りたかったので、実物を確認することにしました。ショールームで、実物を確認しましたが、図面でも器具について検討をしました。
実際にサイズに合わせて図面をつくり、器具の写真もサイズを合わせてつくりました。こんな感じです。
照明とテーブルのサイズのバランス、光の広がり具合を考え最終案は、下記となりました。今までの経験で分かること、知っている事で対応できること以外で検討が必要な場合は、メーカーに聞いたり、カタログを調べたり、実際に見に行ったり、情報集めが必要です。特に照明は1年に1度新しいものが出るので、知識のブラッシュアップが必要です。
最後に方向性が決まると、なぜここまで時間かかったのかと思う時もありますが、これらの経験が次の提案の糧になっていると感じます。
インテリアコーディネーターですが、悩みながら、提案を考えています。色々調べたり、体験したり、納品して、経験値を増やしながら、これからも、お客様の満足度が高い部屋を提案していきたいと思います。