賃貸、部屋の床の色が好きではないときのインテリアコーディネート
賃貸や、中古物件を購入された方から、床の色が気になるというような相談を受けることがあります。床を張り替えるとなると、工事費用が高くなりますし、床暖などが入っているとさらに高コストとなってしまします。床の色が好きでは無いとき、できることは
全部隠す
見える面積を減らす
床の色が目立たないようなインテリアコーディネートにする です。
全部隠す
床の場合は、ラグや絨毯、上に敷くタイプのフローリング材などで覆い隠すことができれば、一番ですが、コストがかかります。さらに全面隠す場合としても、床の色が床だけでなく、ドアや巾木、カウンター材まで同じ色の場合もあります。そうなると全部の色を隠すのが難しいです。
床以外の色が大丈夫だとしても、全面覆う場合はドアなどの開口部が開くかの確認が必要です。上に敷くのであれば、床より高さが上がるので、ドアの下に隙間がなければ開きません。このような理由から、全面に敷くのが難しい場合が多いです。
下記の記事は、色ではなくペットのためにラグを広い面積敷いた事例です。見える色を減らすと、部屋の印象が随分変わります。
面積を減らす
全面を隠すのが難しい場合は、なるべく見える面積を減らすようにします。隠せる部分は、ラグなどを敷きます。床の色が見える面積を減らすことで、色の影響を軽減します。その時に合わせて考えて欲しいことは、気になる色が目立たないような色を選ぶことです。
目立たないような色を選ぶ
床の色がなるべく目立たないようなインテリアやカラーコーディネートを選ぶことも大事です。目立たないような配色をするには、最初に気になるそのものの色を知ることが必要です。
ものにはそれぞれ色があります。まずそのものの色について、どのような色か知ることです。この場合は、床の色です。
下の図の一番上の色はもともとの色、下の色はその色に白や黒を混ぜてできた色です。今選ぼうとしているものの色はどの色なのか、まず知ることが第一歩です。その色を知るために、プロが使っているのは色のものさしとなるカラーチップです。それを使って、ものの色がどの色かを調べます。気になる床の色のもともとの色はどの色でしょうか。
その色が分かると、次にその色を目立たせてしまう色を選ばないようにします。
目立たせないためには差をつけないことです。その色のどこが気になるかによりますが、色味が気になるのであれば色の差をつけない、明暗が気になるのであれば明暗の差をつけない、色の鮮やかさが気になるのであれば色の鮮やかなものとそうでないものを近づけないことです。
色の差、補色を避ける
明るさの差 明暗のコントラストがつなかいようにする
鮮やかさの差 色味があるものと無いものを近づけない
同じ色でも、その横にある色によって、美しく見えたり、濁ってきたない色のように見えることがあります。美術の時間に習ったことがある「補色」。例えば赤と緑、黄色と紫のような補色の関係にある色は、それぞれを引き立たせます。補色関係の色は、お互いを引き立たせるため、色が強く見えるので、床の色を際立たせないためにも補色の色を近くに置かないようにしましょう。
暗い色が気になるのであれば、明るい色を近くにもってくると明暗の差がはっきり見えてしまうので、目立ちます。明るさ、暗さが気になるのであれば、差を付けないようにしましょう。
今のフローリングの色は、シックなものが多いです。色味がそぎ落とされていて、グレー味のあるものが増えています。20年以上前は、明るい色がはっきりしたものが主流でした。その色のあざやかさが気になるのであれば、色味が無いものを近くに置くことで、そのあざやかさが悪目立ちしてしまします。あざやかさの差をつけないように色を選びましょう。
下記の事例は、以前プラスアート推進会でしたコーディネート。床の色がオレンジ色のあざやかさがある床でしたので、その色を目立たせないように、白ではなく、少し床の色のオレンジ味のある色の壁紙やリネンの色を選びました。
床の話に戻りますと、まずは床の色のもとの色を知ること、そして、隠そうとしているラグの色は、なるべくもとの床を目だたさない色を選ぶことが大事です。
インテリアの色選びはなぜ難しいのか
インテリアの色選びを難しくしている要素として、色の数があります。まわりにある色、アイテム、素材が多いこと、そしてお互いに影響を受けることです。白や黒のモノトーンでコーディネートすると考えると、ものを選びやすいですよね。
そのものの色は、当たる光の色でも印象が変わります。なぜなら、ものの色は光を反射して色として見えるからです。なので、反射する光の影響を受けます。ですので、ものの色を選ぶときは、そのものを見る光の色で見るようにしましょう。部屋の中ですと、照明の色の影響を受けます。ものの色を見るときには、照明とセットで見ると覚えておきましょう。
さらに、賃貸や中古物件だと、床やドアの色が好みでなかったりする場合もあります。
どうしようも無い場合は、なるべくその影響を受けないように、なるべくその色が悪目立ちしないように、差をつけない色やインテリアを選ぶのがおすすめです。
部屋のカラーコーディネートを考えるときには、まず部屋の軸の色を知る、決めることが第一歩となります。部屋の色決めについて書いている下記の記事も、よければ読んでください。
最終手段
それでも、どうにも難しい…となったときの最終手段は、
他のところに目が行くように、何かアイキャッチなものを置くことです。
普段床ばかり見ることは無いと思います。気になると床ばかりに目が行ってしまうのですが、それよりも気になる、素敵なコーナーやディスプレイ、アートを置くことで床が気にならない状況をつくります。床面よりも垂直面の壁の方が、目線の高さなので、良く見えます。
例えば下の写真だと、どこに目が留まりますか?
きっと壁に飾っているアートではないでしょうか。このお部屋のコーディネートを考えるときに、1つ考えたことは床の色です。床の色は、鮮やかな色の床で、なるべく目立たないようにしたいと思っていました。なので、本文中に書いているように床の色が悪目立ちしないように家具の色を選ぶようにしました。部屋に入ると、デスクの天板の風合いがとても素敵なのと、インパクトのあるアートが目に飛び込んできます。
意識をそちらの方に向けることで、床の存在感が薄くなるように考えました。家の床は15年以上張替えすることがありません。そうなると、家具やイメージしているインテリアと合わない!となることもあると思います。そんなときは、なるべく見える部分を減らし、存在感を薄め、さらにそれより存在感のあるものをつくることで、完璧ではなくても理想のイメージに近づけていきましょう。