調査結果全体まとめ・考察

ビフォーと模様替え後の比較

ビフォー(1週目)と模様替え後(2週目)のそれぞれの数値を比較して割合にて変化を確認しました。オレンジ色に色を付けている部分が、比較した前週より数値が上がった部分です。平均をとってみると、レム睡眠、爽快度と熟睡度について差がでていました。

男女の差からみる 睡眠スコア

睡眠スコアは、平均を見ると1.0で変化がないという状況です。10人で比較して、T検定を行ったが意義のある差として確認できませんでした。

これを男女で分けてみたところ、男性は睡眠スコアを伸ばし、女性は睡眠スコアが下がるという傾向がみられました。

さらに模様替えの3週間の平均と1週目を比較しても、男性はスコアを伸ばし、女性はスコアが下がっているという傾向がみられました。

主観的な爽快度と熟睡度

主観的な数値の爽快度と熟睡度については8人中7人のスコアが、主観的な爽快度と熟睡度についてはモニター全体的にビフォーより上がっていました。

下記T検定を実施したところ、1週目と2週目の比較において、意味のある誤差ということが分かりました。したがって主観的な爽快度と熟睡度は、毛様替えによって向上したと言えます。

アート導入の変化

それぞれのモニターの部屋に合う、趣向に合うアートを入れた後とその前(2週目と1週目)とを比較してみました。

ビフォー(1週目)と比較すると、熟睡度や爽快度の大きな変化はみられるけれど、その他の値については、大きな差がみられなかった。それぞれの数値についてもT検定を実施したところ、全体としては意味のある差があるとはでませんでしたが、個々にはそれぞれ反応が見られた。

照明導入

照明の導入の変化をみるために、モニターの方には、寝る前5分程度照明をつけてからお休みいただくようにお願いしました。

ウエアラブルの睡眠スコアは、全体として浅い睡眠が減り、深い睡眠の時間が増えました。

主観的な数値の熟睡度、爽快度の平均を見ると、ビフォー(1週目)よりは上がっているけれど、前週から比較すると、全体的に下がっていました。睡眠スコアが上がっているにもかかわらず、主観的な熟睡感、爽快感が下がりました。

それぞれの数値に対してT検定を実施したところ1週目と4週目の比較の深い睡眠については意味のある差という結果になりました。照明を導入することにより1週目より深い睡眠が増えたと言えます。

3週間の平均と模様替え前の比較

アフターの3週間の平均値をとり、模様替え前との数値を比較しました。

上記の数値のT検定を実施したところ、爽快度と熟睡度については、意味のある差ということが分かりました。アフターの3週間の平均とビフォーを比べたときに、爽快度と熟睡度は上がったと言えます。

まとめ・考察

「嗜好に合った寝室のインテリアコーディネート」は、睡眠の質を向上させられるか?ということを調査しましたが、今回の結果から1週目(ビフォー)と2週目(模様替え後)と、1週目と模様替え後3週間の平均を比較すると、主観的な熟睡度や爽快度が模様替え前に比べ向上していました。このことから寝室を嗜好に合ったインテリアにすることで、主観的な睡眠の熟睡感や爽快感が向上する可能性があることがわかりました。

アンケートをとると、モニターご自身だけでは今回変更したような室内空間にすることができなかったと感想をいただきました。
プロのインテリアコーディネーターがモニターにヒアリングをし、寝室という空間に合った色や素材を選びコーディネートを提案することで、睡眠の熟睡感や爽快感といった主体的な感覚を上げる可能性があります。
例えば今回は、東側の窓で日当たりのいいお部屋や窓の近くに夜も明るい施設がある部屋には、遮光性のあるカーテンや裏地を使いました。照明については導入の方法や機器の選定に注意が必要ですが、照明をうまく取り入れることで、深い睡眠を促すリズムづくりができます。
今回の結果特に男性は、インテリアを整えることでウエアラブルの睡眠スコアも上がっていたことから、より効果を実感しやすいのではないかと考えます。

寝室はリビングダイニングなどに比べると関心が薄く、インテリアについてもさほど重視しない傾向があります。しかし今回の寝室の室内空間を整えることで睡眠の主観的な感覚を高めてくれるという結果がでたことから、私たちは寝室もリビングと同様にインテリアコーディネートを考え睡眠に合った室内環境を整えていくことで、睡眠の質を高めそして更に人生の質を高めてくれると考えます。
今後「寝室を整えることも大事」ということをインテリアコーディネーターだけでなく、一般の生活者にも知ってもらうことで、睡眠環境の改善、人生の質の向上につながるような活動をしていきたいと思います。

今回の調査にご協力いただいた企業紹介

今回の調査を最後までやり遂げることができたのは、公益社団法人インテリア産業協会の助成金をはじめ、クラウドファンディングによるご支援、そして各メーカーや企業の協力がなくては実現できませんでした。ご協力いただきました皆様に感謝を申し上げます。

プラスアート推進会 睡眠とインテリアの調査研究メンバー


施工協力

株式会社弘和  ハンガーズ株式会社

資材提供・協力

株式会社 カラーワークス  株式会社川島織物セルコン 
Christian Fischbacher / 日本フィスバ㈱  株式会社サンゲツ SORAA Japan株式会 トーソー株式会社 株式会社トミタ  日本ベッド製造株式会社
株式会社フジエテキスタイル  マナトレーディング株式会社
ヤーンホーム  フィットビット・ジャパン合同会社(ウエアラブル提供)

アート貸出し

Art Mall アートモール  A&M × HAYASHI MARIKO
ファヴォリインターナショナル株式会社 WASABI ART SHOP ONLINE

照明貸出し

Brandze   ルイスポールセン ジャパン 株式会社   
ファヴォリインターナショナル株式会社

最後にこの調査にご協力いただきましたモニターの方々には、長期間にわたり調査にご協力いただいたことに感謝しています。モニターの皆様のご協力がなければ今回の調査はできませんでした。心より感謝申し上げます。