疲労と疲労感から考える体のいたわり方 ブックレビュー「疲労とはなにか」

「疲労とはなにか」 近藤一博著 を読みました。とても興味深い内容でしたので、私が気になったポイントをご紹介したいと思います。
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疲労と疲労感はちがう!

疲労感は、疲れた感覚(精神的な要素が高い 倦怠感)で、疲労は、体の障害や機能低下です。日本では、疲労と疲労感が言葉としても分けられており、分けて考えられているが、海外では言葉が同じで、一緒に考えられていて認識の違いがあるそうです。

私自身は普段の生活でこの2つを使い分けてはいなかったので、違うのだと知りました。

疲労を測る指標がある

疲労は、唾液中の特定のウイルスの再活性化で判定できることを発見したそうです。そのウイルスというのは、ヘルペスです。疲れたときに口唇ヘルペスが出てくる人もいると思います。宿主が疲れたとき(体が弱っているときに)に唾液中に出てきて、別の宿主に移動しようとしているそうです。体に残っているウイルスも生き残るために活動しているのだということ、そして体の疲れをヘルペスが教えてくれるのも面白いと思いました。

エナジードリンクは危険

「疲れた」という感覚は、体内で生産された炎症性サイトカインという物質が脳に入って脳に働きかけることで生じるそうです。エナジードリンクの効果は、抗酸化剤。抗酸化剤は、肝臓で生産される炎症性サイトカインが減少し脳に入る量が減り疲労感を減少させるが、心臓、脳、筋肉などの疲労の原因は全く抑制されないので、疲れていないと勘違いして、さらに疲労を増大させてしまうようです。

疲労感は、疲労を知らせるアラームなので、アラームだけを抑えることは危険ということですね。

にんにくやウナギ、焼肉は抗酸化作用をもつ食品で、疲労を回復させるわけではないということを知りました。「えっそうなの」って思いました。疲労感だけ回復させてもだめですね。

疲労を回復させること

では、どのように疲労は回復できるのでしょうか。結論からすると、疲労を回復させるには、軽い運動。軽い運動により疲労回復力が増強されるそうです。この本には、これについて詳しくは書かれていませんでしたが、読んだ別の本によると、運動をすることで体が破壊されるので、それを回復させようという体のしくみが動くそうです。その回復が破壊されているものより多く働くため、回復するようです。

その他、疲労回復効果のあるものが紹介されていました。

1つは、ビタミンB1です。他に、ガンマオリザノール(米ぬかに含まれる成分)、ケルセチン(玉ねぎリンゴに含まれる成分)、アンセリン(ますやカツオの筋肉、鳥の胸肉に含まれる成分)ベータ・アラニンなどの成分は疲労に効果があるそうです。ですが、感覚として効果を実感できるものではないため、商品化しづらいそうです。

まだまだこれから研究が進む分野ということでしたので、これからの進展が楽しみです。本を読んで、とりあえず、運動と睡眠、そしてバランスの良い食事につきるという、ありきたりな結論になってしまいましたが、これからも、運動、睡眠、食事に気を付けていきたいです。