ものの価値は、それを持つ人の扱い方次第

こんにちは、中西です。今日お伝えしたいことは、「物の扱い方次第で、その価値を高めることができる」ということです。

先日、アーティゾン美術館の「空間と作品」展を見に行きました。コレクションの作品自体も素晴らしかったのですが、特に印象に残ったのは、その作品の見せ方や解説、紹介の仕方がとても丁寧であったことです。

美術館や博物館で長く愛されてきた道具や作品を目にすると、それを愛し、大切にした人たちに思いを馳せることができました。

今回の展示では、豊臣秀吉の書が掛け軸として飾られていました。その解説には、軸の一文字と風帯(ふうたい)に継ぎ目が見られ、さらに、何かの布地をリフォームして使ったという説明がありました。「布は何か特別な布だったのでしょうか?」という文章も添えられており、それを読むことで、深い愛着と歴史を感じました。

また、別の茶道具の展示には「持ち主がどれほど作品を愛しんでいたかは、その付属品を見ると分かります…」と説明されており、箱やそれを包む布の趣きからも、大切にされていたことが伝わりました。

長年愛されてきた道具や家具を見ると、ただ美しいと感じるだけでなく、持ち主の想いが垣間見えるような気がします。

一方、物の扱い方によってその価値を高めることもあれば、反対に価値を下げることもあります。

例えば、以前訪れた三内丸山遺跡では、発掘された土器がたくさん展示されていました。これらの土器も、もともとはその時代のゴミ捨て場のような場所から出土したものです。

それらの土器がショーケースの中で丁寧に展示されると、その歴史的価値が伝わります。しかし、もしこれが近所の公園の植え込みの横に置かれていたら、ほとんどの人が見向きもしないのではないでしょうか?

同じ割れた土器であっても、床の間に美しい花一輪とともに飾られていれば、凛とした美しさを感じることができます。

いくら素晴らしいものであっても、埃まみれだったり雑に扱われていると、その価値が分かりません。逆に、丁寧に大切に扱えば、より価値のあるものに見せることができます。

高級なものでも、価格的な価値が高くない物でも、自分の扱い方次第です。大切な物には、それに見合った扱いを心がけたいと、展示を見ながら改めて感じました

それでは、良い週末をお過ごしください。