マルニ木工のトラディション家具の再構築の展示を見てきました。
マルニ木工はトラディション家具の再構築の試みとして「Manufacture(マニュファクチュール)」という展示をされていました。昨日やっと行ってきました。
マルニ木工が1966年より展開している「Tradition」を、現代の感覚で再解釈。リモデルやパーツ、素材の組み合わせなど多様にアレンジされている展示です。マルニ東京のショールームは、建物も素敵です。
エレベーターも展示に合わせて、装飾されていました。今回は、マルニは、西洋のクラッシックなスタイルの家具をつくっていたということで、日本の美に多大なる影響を受けたと言われる英国の老舗のLIBERTYのファブリックを用いられていました。
玄関には、モザイクアーティストの永井友紀子氏がつくったマルニのフレームを使ったアートピースが展示されています。モザイクタイルが椅子のファブリックのように張られていて、じっくり見たくなる作品でした。
1階部分は、朝のガーデンというテーマだそうです。椅子の張地の色や素材感でこんなにも雰囲気が変わるのだと驚きました。細部の空間の作り方も、素敵で勉強になりました。空間全体を見ると、まるでパリの家具の展示を見に行っているような気分になります。
再構築された椅子。塗装されていないフレームだと、新鮮な感じがします。
スツールの下のラグですが、実はこれはプリントされたシール状のもの。よく見ないと気づかなかったのですが、このような展示の仕方は参考になります。正面の家具パーツの展示もアートピースのようで印象的でした。
椅子の写真のアップ。木の部分は、マルニ木工でつくられた椅子の端材を利用して、継いでつくられたもの。有限な資源を有効に使うことができます。個人的にはパッチワークのような木目も今の時代に合っていて良いと感じました。このような無塗装に近い木であれば、住居にも使いやすそうです。
地下は、夜のガーデンというテーマで演出されています。大胆な色使いとゴージャスなファブリックでで、かっこいいクラシックな雰囲気でした。
住宅だとなかなか使うことが少ないカラーでしたが、見ているともっと色を楽しめる提案がしたくなりました。ピンクのライトと屏風のトリムがかっこいいです。そしてその反対側には、ゴージャスな張地のソファです。
なんとも贅沢な布の使い方です。これを作った人もすごく大変だったと思います。絵画のように魅せるソファでした。
今は手に入れることが困難な木材を使った昔の家具を展示されていました。マルニ木工では、ぐらつきの修正や傷んでしまったファブリックの張替えにはじまり、木部全般の補修、塗装の修復や変更、装飾部の再生も依頼できます。他社製品でも相談できるようです。このように古いものを大事にできる空間も提案していきたいと思いました。
ボタン締めの加工途中の展示。裏を見るとボタン部分で止めていることがわかります。
ちょっと面白かったのは、たぶん何かのフレームの一部を再利用したちりとりも展示されていました。
今回の展示、とても見ごたえがありました。勉強にもなりました。今後のお客様の提案にも活かしていきたいと思います。
Manufacture概要
会期:2024年10月18日(金)〜 11月4日(月・祝)※1F展示のみ 11月25日(月)まで
時間:10:00~18:00 定休日 水曜日
会場:maruni tokyo 東京都中央区東日本橋3-6-13
おまけ
2、3階は、今取り扱いのある家具を展示されています。がらりと雰囲気が変わります。新作のチェアは、丸みのおびた柔らかい印象のチェア。
照明とチェアの塗装の色がぴったりで、とても心地よい組み合わせです。