リビング・モダニティ 住まいの実験 1920Sー1970Sを見てきました!

1920年台以降、建築家の巨匠がその時代の新しい技術を用いて、機能的で快適な住まいをつくってきました。実験的な試みやその時代に新しい試みやアイデアは、今の日常では特別に感じないものもあります。そのような歴史や、巨匠の先進的な試みが今の時代からみても古さを感じさせません。そのような建築の歴史やアイデアを見ることができる展示でした。
特に私が興味を持っている部分は、モダニズムの中の衛生という部分です。最近、新型コロナウイルスの感染でパンデミックを経験した私たちと似た状況が、産業革命後にもありました。都市に人口が集中し、そのため大気汚染や伝染病が蔓延した時代、住まいという環境が人の健康に与える影響を考え、採光や換気、衛生機器の配置をどう取り入れるか、建築家たちの取り組みを知りたいと思い、この展示を楽しみにしていました。
ですが、展示ではそこまで強調して展示はされていませんでした。どちらかというと個々の建築の様子が分かるような展示でしたので、それぞれの建築を楽しむことはできました。最初の期待とは違ったので、少し残念な気持ちでしたが、たまたま購入した図録をみると、知りたかった衛生という部分にフォーカスした内容が書かれていていました。購入して良かったです。
展示の中には、今東京でも見ることができる土浦亀城邸も取り上げられています。先日、私は、その建築が移築された東京の青山に建築を見に行ってきたところでした。この展示は、一般公開しているのですが、限定公開で、そのチケットを取るために数か月チケットを申込していました。月1度だけ募集があり、数日で人数も限られているので、あっという間にチケットが売りきれるのです。時間になる前にログインをして、その時間になったら申し込むということを続けて、やっと先日見ることができました。
今の時代から見ても古さを感じさせない建築で、細部のディテールも細やかな住む人への心遣いが感じられるつくりになっており、こんな風に生活していたのかなと想像を掻き立てられました。残念ながら写真を撮ることができませんでしたが、リビングモダニティの展示では、その建築の写真や模型を見ることができます。建築やインテリアに興味のある方には、おすすめです。精巧な模型も展示されていて、空間を疑似体験できます。
その他、ミース・ファン・デル・ローエの未完のプロジェクト「ロー・ハウス」を原寸大でつくられている展示もあります。写真を撮りましたが、まるで模型のように見えますね!

開催概要
会期
2025年3月19日(水) ~ 2025年6月30日(月)
休館日:毎週火曜日※ただし4月29日(火・祝)と5月6日(火・祝)は開館、5月7日(水)は休館
開館時間
10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会場国
立新美術館 企画展示室1E、企画展示室2E 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2