同じ無垢の床でも足触りが違ってしまう、塗料の選び方 インテリアコーディネートのコツ

無垢材を選ぶとき、何を選んだらいい?

先日「無垢の床にしたいのですが、どっちがいいですか?」とサンプルを見せていただきました。
木目は同じですが、表面の仕上げが違いました。お客様は、つるつるしている方が汚れにくそうだからと言われていました。お客様がなぜ無垢の床にしたいのか?どうお部屋で過ごしたいのか?どんな効果を期待するのか?で選ぶ基準が変わります。

お客様は、お子様の遊び場として使いたい、木の質感を大事にしたい、定期的なメンテナンスはできそうということから無塗装のヒノキのフローリングをおすすめしました。同じ無垢でも、木の種類、塗装の仕上げによって、その後のメンテナンスのしやすさが変わってきます。私の個人的な意見としては、無垢のフローリングを選ぶなら、塗装も自然系のオイルフィニッシュにし、長く使っても、木の良さを楽しめるようにしたいと思います。

表面だけだと分かりにくい、床材の種類

まず床材もいろいろ種類があります。もしサンプルがあれば、断面をみていただくと、どんな構造になっているか分かります。「単層フローリング」と呼ばれるものは、無垢材や集成材をつかったもので、シートなどを貼り合わせていない、天然の木100%のフローリングです。単層以外のものは、「複合フローリング」と呼ばれます。複合フローリングの中でも、化粧シートを貼ったもの以外にも、厚みのある木のスライスしたもの(突板)を貼っているものもあります。なので、断面を見ないと、どのようなフローリングなのか分からないものも多くなってきました。

デザインだけではない、無垢のフローリングと木の種類

単層のフローリングでも、無垢と、集成のものがあります。お寺の縁側を歩くと、床がでこぼこしているのを足で感じたことがあるでしょうか。無垢は、温度や湿度の変化によって伸び縮みします。反ったり、凸凹ができたり、隙間ができることもあります。少し扱いが面倒なのですが、無垢材ならでは良さもあります。

  • 夏は涼しく、冬は暖かい
  • 足触りがやわらかい
  • 補修が可能
  • 経年変化を楽しめる

だたし、同じ無垢の床でも、無塗装品にオイルなどの自然塗料を使った仕上げの場合です。ウレタンなどの塗装品の場合は、効果は減ります。また樹種によっても、木目や肌触り、取り扱いが変わります。

木の種類を大きく分けると、針葉樹と広葉樹に分けられます。

針葉樹(杉・ヒノキ・マツ)

軽くて柔らかく、温かみがあります。
和室の造作材、建具などに使われます。
松は、古民家の柱や梁などの構造材としても使われています。
柔らかいので傷がつきやすいですが、加工しやすいです。

広葉樹(チーク・ナラ・メープル)

広葉樹は、ハードウッドとも呼ばれ、重くて、硬いものが多いです。
洋風の造作材、家具や、フローリングに使われます。

無垢の良さを味わうために、塗料選びも大事

木の肌触りを楽しむのであれば、無塗装のまま使うのが良いのですが、汚れやすいこと、木を保護するために塗装するのがおすすめです。塗料には、膜をつくる種類と、浸透するものがあります。膜をつくるものは、木部の保護するとき、浸透するものは、木部のテクスチャを生かしたいときに使われます。膜をつくるものは、ラッカー仕上げ、ウレタン塗装、ポリエステルなどです。フローリングの床材では、ウレタン塗装が良く使われています。

ウレタン塗装は、塗膜は固く、耐久性があり、耐水性もあり、毎日のメンテナンスは気を使わなくてもいいです。しかし塗装の補修は、家庭では難かしいです。

自然系の浸透するものは、オイルフィニッシュです。塗装しても、木そのものの感触がのこります。膜をつくらないので、木も呼吸できます。また、汚れや水に対して強くなります。1年に1回程度は、オイルを浸透させるなどのメンテナンスする必要があります。自然系のオイルフィニッシュは、オスモカラー、リボスなどが有名です。

自然系の膜をつくるものは、蜜蝋ワックスがあります。膜をつくるので、傷や汚れを防ぎますが、手触りが変わります。

定期的なメンテナンスが面倒だと思う人には、ウレタン塗装が良さそうですが、木の素材感が感じられないことや、傷が付くと塗装の修復ができないことデメリットもあります。木の経年変化の味を楽しむ、長く使いたいということであれば、自然系の塗料がおすすめです。

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